障害年金の申請を全て自力でやった感想

先日私は障害年金の申請を全て自力で行いました。

本記事ではうつ病にて障害年金を申請した体験談を書いていきます。

まだ申請の結果が出ておりませんので、受給の至るまでのコツ等をお伝えできるわけではありませんが

「自力で申請できるか不安」

「どのような壁にぶつかるかわからない」

「調べても社会保険労務士事務所の情報しか出てこず、個人の人の意見がわからない」

という私と同じ境遇だった人の参考にはなると思います。

また今回の申請が不支給となった場合は不服申し立てや再請求に動いていく予定なので、そうなった時の備忘録も兼ねております。

長文・乱文となりますが、お付き合いいただけるとありがたいです。

状況

ちなみに申請者は私では無く、私の妻になります。

妻の障害年金の申請を、私が代理で行った形です。

  • 2020年5月 原因不明の体調不良を訴えるようになり、内科に行き検査してもらうも原因不明
  • 2020年7月 仕事を休みがちになり、近くの精神科を受診するも回復しない
  • 2021年2月 転院しうつ病と診断される(本当の診断名は適応障害だったが)
  • 2022年12月 症状が良くならないため転院し現在に至る

障害年金に限らず日頃の手続きや、妻宛の書類の確認などは私が代わりに行っている状況なので、今回も私が申請を行いました。

障害年金申請の流れ

ここからは具体的に申請までの流れをまとめていきます。その都度当時の状況や心情を記載していくので長文になるかと思いますが、おつきあいください。

2023年5月中旬(申請開始0週目)

うつ病で障害年金が申請できることを知る。

私はそもそも障害年金の存在や、障害年金がうつ病で申請できるということを知りませんでした。そんな私が何で知ったかというと漫画で知りました。病院からでも行政からでも無く漫画からです。

妻がうつ病になってから、情報収集と「自分だけでは無い・・・」という安心感を得るために「うつ病」「精神疾患」「心を病む」等のキーワードが入っている記事や漫画を読むようになっており、たくさん読んだ漫画の中でたまたま障害年金について知ったわけです。

上記にリンクを貼ったブリ猫さんの「うつを甘くみてました」は説明や描写が丁寧でとても参考になりました。漫画の合間にコラムも書かれているのですが、私では知り得ない『傷病者の本音』が書いており本当に参考になっております。ぜひ一度読まれることをオススメします。

ここに至るまでに精神科の先生を始め、地区の保健師さんや児童相談所などたくさんの方に相談をしてきましたが、一度も障害年金について教えてもらったことはありませんでした。単に知識が無かっただけなのか、そこまで深く相手にされていなかったのか、真実はわかりませんが「誰かが教えてくれていたら良かったのに・・・」と正直思ってしまいました。

今も受給が決まったわけではありませんが、自分でたまたま見つけなければ受給できない制度に意味はあるのかと憤りに近い感情を抱いたことを覚えています。ましてやうつ病と診断された本人とその家族は、精神的に余裕の無い日々を送っていると思います。経済的な不安を取り除くためにも、行政や医療現場から情報周知の機会を作れないものかと感じておりました。

2023年5月29日(申請開始2週目)

年金事務所に訪問し、そもそも障害年金を申請できる状況なのかを確認しました。担当してくれた方に発病から転院、現在までの経緯を説明し、障害厚生年金を申請できることを確認しました。

しかし実際に障害年金を請求できる障害に相当するかは年金事務所では確認ができないため、まずは主治医に障害年金を請求したい旨を相談してくださいということで、その日の面談は終了しました。

障害年金の存在を知り、翌日には年金事務所に予約を取るため電話をしたのですが、予約が2週間後しか取れませんでした。予約がなかなか取れない状況は初回面談だけに限らず、途中の書類チェックから最終申請に至るまで数回予約を取りましたが全て1~2週間後の予約となり、予約を取ることに苦労しました。調べてみると、私の地域の1~2週間後に予約が取れるという状況は比較的恵まれているようで、1ヶ月~2ヶ月先の予約になる地域もあるようです。

平日しか年金事務所が開いていないため、年金事務所に行くために有給も使用しました。第2土曜日は営業しているのと、週の頭は延長対応(17~19時)をしてくれていたのですが、人気のためすぐ予約が埋まる印象でした。平日休みのお仕事をされている方は問題ないと思いますが、土日休みの方は有給を使うことを頭に入れておいた方が良いかもしれません。

また対応してくれる年金事務所の方に当たり外れがあると感じました。初回の面談で申請に必要な書類を一式もらったのですが、その中の「病歴就労状況申立書」について『手書きで』書いてくださいと説明を受け紙を渡されました。実際に手書きで書いても間違いは無いのですが調べていくと「病歴就労状況申立書はエクセルデータをダウンロードしPCで作成しても良い」との情報が出てきました。いろんな社会保険労務士事務所のブログやユーチューブも確認しましたが、ほぼ100パーセントPCでの作成をオススメするとのことでした。手書きよりも見やすく修正も簡単なので、普通に考えればPC作成をした方が良いとわかるのですが、年金事務所の方に『手書きで』と言われて渡されると無視してはいけないルールのような気がしてしまい鵜呑みにしかけました。そこからは予約を取る際は社会保険労務士の資格を持たれている方を希望して予約をするようにしました。私の地域の年金事務所では週に何度か社会保険労務士の方が窓口対応をされていたようでしたので、その日を聞いてその日に予約を入れるようにしておりました。年金事務所の職員さんとはいえ勤続年数や知識も人それぞれだと思うので、あまり信用しすぎず、より一層自分で情報収集をしなければならないと感じた出来事でした。

2023年6月6日(申請開始4週目)

現在の主治医に障害年金を申請したい旨を相談しにいきました。調べている中で障害年金の申請に対して協力してもらえない医師もいるとの情報も見かけており緊張していたのですが、無事「請求の方向で動きましょう」と快諾してもらえました。診断書を作成するにあたり、受診状況等証明書、認定日付近の診断書、病歴就労状況申立書ができたら持ってきてほしいといわれ、それらを確認しながら診断書を作成するとのことでした。

2023年6月7日(申請開始4週目)

初診の病院と認定日付近に通院していた病院へ電話し、障害年金の書類を依頼する。どちらも書類作成については快諾してもらい、必要書類を持ってきてほしいとのことで電話は終了する。

私の妻の場合は転院を何度かしており、初診と認定日付近、現在の病院が違うため依頼先が多く少し手間に感じておりました。

2023年6月13日(申請開始5週目)

初診の病院へ書類を渡す。完成までに2~3週間かかるとのこと。料金は5500円。

2023年6月16日(申請開始5週目)

認定日付近の病院へ書類を渡す。こちらも同様で完成までに2~3週間かかり、料金は5500円。

2023年6月21日(申請開始6週目)

認定日付近病院のソーシャルワーカーから電話が入り、カルテを確認すると、もしかしたら障害年金の対象にならないかもしれないとのこと。担当医に確認する必要があるが翌週になってしまうとのことで、書類着手までに時間がかかるかもしれないという旨の電話でした。

2023年6月28日(申請開始7週目)

認定日付近病院のソーシャルワーカーから再度電話が入り、認定日付近(2022年1月頃)の診断書を作成すると「適応障害」の診断書になってしまい、障害年金の対象にならない傷病名の診断書になりますと言われる。この時は私も「うつ病じゃなかったのか?」「診察で付き添いに行った時もうつ病という表現で話が通じていたような気がする・・・」「適応障害なんて聞き慣れない単語を当時聞いていたら、どんな病気なのかをもっと調べていると思う」「そもそも当時の診断書に適応障害なんて書いてあったか?」等々、いろんな疑問が頭を巡りましたが突然のことで頭が整理できておらず言われるがまま電話を切ってしまいました。しかし認定日付近の状況では先生の薦めで入院を検討するレベルで妻の体調は悪かったため「あんなに体調悪かったのに本当にもらえないのか?」と納得がいかず、似たようなケースを探し状況を打開するための情報収集を始めます。

2023年6月28日(申請開始7週目)

一通り打開策を調べ、情報を整理した後に、認定日付近病院のソーシャルワーカーへ電話をしました。その時の電話で私が伝えたことは以下の内容になります。

①ダメ元で障害年金の申請はしたいので診断書を書いてほしい。

 ・妻の職場へ提出する用にもらった診断書コピーが残っており、そこには適応障害では無く「抑うつ状態」という記載をされている。障害年金の診断書にも、傷病名や備考欄に抑うつ状態(とそれに近しいICD10コード)と併記することはできないか。

 ・同時期に担当医から入院を勧められるほど症状が悪化していたこと等も記入してほしい。

②適応障害とうつ病の線引きはどうしているのかを担当医から説明を受けたい。

 ・これまで私も妻もうつ病と認識していたし、担当医と話すときもうつ病で話が通っていた。適応障害とうつ病の線引きはどのようにされるのか、全く違う傷病であればなぜ詳細な説明を受けられなかったのかを教えてほしい。先生から直接説明を受けられないのであれば当時のカルテを見せてほしい。

おおまかに上記のような内容をお伝えしました。

障害年金の診断書についてここまで食い下がる人が少ないのか、ソーシャルワーカーの応対の印象は悪く、電話の最後の方は明らかに面倒くさそうでした。

調べていく内にわかったことですが、障害年金の診断書を敬遠する先生も少なからずいるようです。労力の割にお金にならないからか書くことを億劫に感じてしまうのかもしれません。今回の場合は既に通院していない病院に依頼しているので、病院としては優先度の低い案件だったのかもしれません。

2023年6月29日(申請開始7週目)

初診の病院から書類ができたと連絡があり受け取りにいく。家に帰り診断書を確認すると字が汚く読めないところが多く、個人的には文字起こしした紙をつけた方がよいかと考えるほどでした。その旨を年金事務所に確認したところ、審査の段階で障害年金センターの医師が直接電話し確認してくれるからこちらで用意する必要は無いとのことでした。

2023年7月7日(申請開始8週目)

認定日付近のソーシャルワーカーから電話があり、適応障害ではなく『抑うつ状態』での診断書を作成することになったとのこと。ICD-10コードは何にあたるかを確認したが医師の判断になるため不明とのこと。

2023年7月13日(申請開始9週目)

認定日付近病院から診断書ができたと連絡があり受け取りに行く。ソーシャルワーカーから受け取り、その際に傷病名などは先生が配慮して書いてくれましたとのことで、確認すると『うつ病(ICD-10コード:329』になっておりました。

2023年7月21日(申請開始10週目)

年金事務所に訪問し、取得した初診病院と認定日付近病院の書類を確認してもらう。問題が無ければ現在通院している病院に書類を依頼しようと考えていた。確認をしてもらうと初診病院の書類に『内科からの紹介にて来院』と書いており、初診病院に当てはまらないと判断されました。

書類作成を依頼する時に、精神科に行く前に一度内科で検査してもらったことを忘れていたのです。それにより初診の書類をその内科に依頼する必要が出てきたことと、認定日付近の病院に書いてもらった書類も通院歴の欄に変更が必要になりました。

初診日は傷病が発症した時では無く、症状が出た時に最初にかかった病院という知識はありましたが、もらった書類を見ても自力で気づけませんでした。

2023年7月25日(申請開始11週目)

現在通院している主治医に診断書の依頼をしにいきました。通常でも3週間以上時間がかかり、時期的にお盆も挟んでしまうため完成はお盆明けとのことでした。また直前に初診証明の取得先が間違っていたことも発覚しているため、正規の初診証明がとれたら送ってほしいと言われ、そこから3週間ほどかかるという話でした。料金は8000円でした。

現在通っている精神科も予約が必要なので、他の書類が完成している前提で予約をしておりました。初診証明の取得先を間違えていなければもう少しスムーズに進められたかもしれません。

2023年8月31日(申請開始16週目)

主治医から現在の診断書が出来上がったと連絡があり、受け取りに行く。

2023年9月9日(申請開始17週目)

年金事務所に最終申請のため訪問。社会保険労務士の方に確認をしてもらいながら進めました。そこで認定日付近の診断書に通院歴のところに本当の初診病院が含まれておらず書き直してもらう必要があるとのことでした。また私が書いた申立書の内容にも数点修正するところがあり修正することになりました。この日には提出となりませんでしたが、その他の必要な書類への記入を済ませました。

2023年9月25日(申請開始20週目)

最終申請のため年金事務所へ再度訪問。無事提出完了となりました。担当してくれた方と、もう一人が全ての書類のダブルチェックをしていたことが印象的でした。

2023年10月2日(申請開始21週目)

年金事務所から電話があり、日付を1か所記入漏れをしており再度来てほしいとのことで訪問しました。ダブルチェックをしていても見落としはあるものですね。

全体を通しての感想

・書類の準備が想像以上に手間取る

病院で作成してもらった診断書にも漏れがあるし、自分で書いた申立書にも漏れがあるし、年金事務所で職員の方と記入した書類にも漏れがありました。診断書と申立書に関しては家で自分で何度も見返していたけど気づけませんでしたし、年金事務所の書類も職員の方がダブルチェックをしていたのにも関わらず漏れがありました。

障害年金の申請について調べると、どの本・サイト・YouTubeを見ても「書類の準備が大変」と書いており、正直私は舐めておりました。職業柄誰かに見せる書類を準備することが多かったので、障害年金の書類も「ルールに沿って準備するだけでしょ?」と。

ですがこの大変さは実際に体験するまでわかりませんでした。初めての書類で手間取るということも大きいですが、一番は確認・修正の作業に時間がかかるなと感じました。病院の書類は病院に依頼しないといけませんし、確認をしてもらうために年金事務所に行きたいと思っても予約をしないといけません、しかもその予約が1~2週間後しか取れない。それを見越して年金事務所を予約しておくけど、重い通りに書類が揃っておらずスムーズにいかない。ですがスムーズにいかないことを前提にして、書類を逐一確認してもらう場として年金事務所の予約を入れておくことはよいと感じました。障害年金の提出書類は、書類ごとに齟齬があると良くないらしく、情報に一貫性が必要なようです。なので1つの書類を訂正すると、その他の書類もそれに準じて修正していく必要がでてきます。人間が確認することなので、以前は見つけられなかった不備に最終申請したい日に気づいてしまったということもあります。ですので、確実性を上げる意味でも、一つの書類ができたら年金事務所に見てもらうくらいのスケジュールで年金事務所の予約を前もって入れておくと安心感があります。

・有料の社会保険労務士に依頼するか悩む

これに関しては今でも依頼しておいた方が良かったかも・・・と思います。今回の申請が通らなかった場合は依頼しようと思っておりますが、依頼する社会保険労務士事務所の選び方が難しいと感じております。

準備の途中で情報収集の意味も込めて2件の社会保険労務士事務所の無料メール相談を依頼しました。どちらも丁寧にご対応いただいたのですが「申請成功率90%以上」等の謳い文句は信用しすぎない方が良いと感じました。というのも私が無料相談したタイミングは「2023年6月28日(申請開始7週目)」の認定日付近病院に適応障害になり、障害年金の対象にならない傷病になりますと言われたタイミングでした。1件の社会保険労務士事務所さんの方は「備考欄に抑うつ状態と併記してもらえないか」「日常生活に支障が出ていることを詳細に書いてもらえないか」等、状況打開を目指したアドバイスを頂けたのですが、もう1件の社会保険労務士事務所さんの方は「遡及認定はあきらめた方が良い。それに納得して貰えるなら依頼してください」というスタンスでした。その事務所のホームページを見ると申請成功率の高さを謳っており、ある程度簡単な依頼だけ受けるようにして、申請成功率を下げないような工夫がされているのだと感じました。

向こうも商売ですし、依頼者に望みの薄い期待を持たせてはトラブルの元なので、ある程度は仕方ないと思うのですが、あまりにもとりつく島も無い対応だったことを覚えております。結果的には親身になってもらった事務所さんのアドバイスを元に進めていき、病院側の理解を得られたので、もし依頼をするとしたら一緒に悩み、状況を打開する手立てを打つ労力を惜しまない事務所に依頼したいと思いました。

・情報がとにかく少ない

これは調べれば調べるほど痛感しました。たくさんの社会保険労務士事務所がブログなどで情報発信してくれているのですが、そのほとんどが調べたらすぐ出てくるような似通った内容でした(初診日・納付要件・日常生活の程度など)

精神疾患は他の病気と違い数値化できないため、受給できるできないに無数のケースが存在するような印象だったので、様々なケースが見たかったのですが情報が少ない印象でした。

そんな中で『世界一やさしい障害年金の本』は本当に頼りになりました。

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漫画も挟まれており読みやすいですし、途中に取り上げられている事例を見れたことが助かりました。申請の準備をしていく中で不安が大きくなる一方だったため、安心を買うためにもこういった本を読むことはとても良いと思います。

以上、とてもざっくばらんになりましたが、私が自力で障害年金の申請を行った流れになります。申請結果が出たら編集し情報を更新していこうと思っております。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

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